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Channel: しるびより~Shiruou's Blog
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なかなか死なない斬られ役コント

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相変わらず不景気ですねーとか
呼んでくんねーかなーとか
現場ないですかーとか
相談受けるのですが、
メーカーが減ったという話は聞かないですね。
もうかれこれ5年ぐらいなますぎりにされながらなかなか死なない斬られ役コントみたいな
状況がAV業界を覆ってます。

お店も閉店してるし、してなくても自転車操業で家賃払ったら売り上げ消えてたなんて
状況があちこちで現われているので、メーカーはよほど売り上げが落ちてるはずなのに、
新作のリリースは逆に増えてたりする。

現場あるはずなのに、現場ないですか?とか質問するのはおかしい。

現場が減って
お店が減って
売り上げが減って
ついでにギャラも減って

でも新作リリースだけは増えていると。

よくわからないけど景気は悪くないように見えます。

ギャラを減らしたぶん現場を増やしている、という話は聞きます。

でもうちに来る人はみんな深刻そうにやばいです、という感じです。

なんとかできないですか?と聞きたいのでしょう。

売り上げを上げたい、というのが本音だと思います。

本質を言えば、当たり前ですが需要がないと売り上げは増えない。
需要がないのに供給だけ増やしたら、商品過剰になるだけです。

仕方がないので需要を作り出す、とやる。
あちこちで宣伝して、うそでもいいから大げさに騒いで、イベントから撮影会から
使えるものは総動員して、DVD需要をかりそめでも増やそうというわけです。

で何が起こったかというと、それら供給されたDVDが全部中古へ転売されるわけ。
今度は中古市場がパンク状態になる。

で、さらに需要が減る。

この業界の需要、というのをもう忘れてしまっている人が多いんじゃないかと思うので
忘れないうちに書いておきます。


セルAVの需要、というのは


とにかく矢も立てもたまらず見たくて見たくて仕方がなく、

それを見る為にはるばる関西から関東まで遠征して、

大変にリスキーまたはアングラな

見てはいけないもの

を購入するドキドキ感

これがなんとも言いようのない熱気でかもし出され、
渋谷あたりの街を覆っているような感じを言います。

今それが感じられるのは、コミケのごく一部のブースぐらいなものです。
あの空気が、かつてだと、アキバのとらのあな近辺にありましたが、
今はコミケのある一部にしかないですね。

あの空気というか、キモチワルイじとっとした、蒸したオーラです。

あれがセルAVの需要=景気です。

93年ごろは神田の芳賀書店一帯にしかなかった。
96年ごろは、それが渋谷から池袋くらいまで覆ってました。
99年ごろに、日本全国に飛び火します。

2006年にこれが雲散霧消します。
この空気が、全部PC(ネット回線とか携帯)に吸収されたからです。

ネットがなくなったからといって、また出てくるわけじゃありません。
ここが勘違いされてる。

そもそもセルDVD自体からまがまがしい空気が薄れたから、

簡単にネットに吸い込まれただけだよ。と

まがまがしい空気のあるところがセルAVの需要本体であって
ないところにいくらかりそめの雲を用意しようが
雨乞いみたいなもので無意味だというわけです。
描き割りの雲をいくら散らしても、本物の雲を出せるわけないでしょう。


だから、このセル需要という物は、作り手の都合でかもし出せるものじゃなくて
あくまでもお客さんの側からムワムワとでてこないと、本物にならない。

それが出てこないからだめだといっている。
ウナギの養殖と一緒ですよ。


けれど、現場は減らないし、メーカーも問屋もついぞ倒産の話を
聞かないので、意外と耐久力はあるんじゃないかと思うわけです。

事実だけを言えば、あのもやもやしたグレーの雲は都市部ですら
観測されることはなくなったので
いつだめになってもおかしくないとおもいます。

あの需要がかつてのように創出されることはもうないでしょう。

なかなか死なないコントをしていたら、いつのまにか観客がみんな
帰ってしまっていた、という状態で終末を迎えるのではないかと予測しています。


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