うちはザーメン屋なんで、汁に対する問い合わせがいろいろとあるのですが、
濃い精液で有名、といわれることもあります
これは意図的にやっているわけではなく、撮ってみたら濃かった、というのがほとんどです。
狙って濃い精液がドバドバ出るわけじゃありません。
だからいつも苦労しています。
それはともかく、精液というのは体調に大きく左右されますが
食事にも左右されます。
現代の食事が化学的加工されすぎた、というのもありますが
考え方として、なにかサプリを飲んだら人為的に急に濃くなったり、量が増えたりするんじゃないか?
と考える人が圧倒的に多いのにも左右されています。
それは不老不死の薬を求めるのと同じようなものです。
今はいろんなサプリが出ていて、飲んだらなんとなく元気が出る、という飲料が多いのですけど、
それを飲んだから、元気になるか?という話で言うと、
ほとんど気分的なものです。
多少成分が入っていて、一瞬効く事はあるかもしれませんが、
ほんとにてきめんに効いたら法律で禁止されるわけで。
こういう科学的なものと自然の違いを理解するのに私は最近鶏の例を出します。
近所で鶏を飼っている人がいるのですけど、
最近はホームセンターでひよこを売ったりしている。
なのでいろんな種類を選べるようになりました。
卵ほしさにみんな買うわけですが、
育ててみて、いろんなことに気づきます。
お店がよく薦めるのは、すぐにたくさん卵を産む品種。
一番薦めないのは、難しくて高額で、おまけに卵をめったに産まない烏骨鶏。
何年か育ててみると、なぜかみんな烏骨鶏になっています。
なんででしょうか?
すぐにたくさん卵を産む品種は、確かに生むのですが、2年もすると生まなくなります。
廃鶏、というやつになります。
しかしたくさん生みます。
生まなくなったので、最初はまあいいかと取っておきますが、なんと鶏は増えるのも
早いので、あとからあとから廃鶏が出てくる。
これはたまらんと、仕方なく締めて食べるか、となります。
2年育った鶏の肉なんて、硬くて筋張って食べられたもんじゃありません。
何日も煮込んで、ひいひい言いながら食べるわけ。
われわれが食べている鶏の肉は、とさかができるかできないかぐらいの、
3ヶ月くらいの鶏です。
ブロイラーといって、肉を硬くしないよう、ケージに閉じ込めて、3月で締める。
若鳥とか、なんとか鳥とか言いますが、高そうに見えてもえさが豪勢なだけで、全部これです。
養鶏業者は、
「われわれは鶏を育てているつもりではない
ただ、安価なたんぱく質をいかに市場に提供するかに頭を使っている」
そんな風に言われることもあるぐらいだから、かわいそうなんて思ってられない業界です。
そういうわけで、長く生む鶏というと、烏骨鶏になるわけです。
ただし、いつ生むかわかりません。めったに生まないといわれている鳥ですから。
その代わり、かなり長く生みます。
なかなか生まないのですが、食べてみると、わかるのです。おいしい。
凝縮が半端ない。
卵で言われる、色だの、ぷるるんだの、そういうレベルではない。
もう薬としかいえないすごい質量がこもっているわけです。
卵アレルギーになんか、なるわけないです。
烏骨鶏の地鶏の有精卵は、それぐらい凝縮します。
地面のあらゆるエネルギーを、卵に凝縮するわけです。
濃い精子、というのはこれをいうのかもしれない。
鶏の一生で言えば、実は産む数は大差ないのかもしれない。
ただし、質がちがう。これをどう見るかです。
この話をしても、サプリチャージで頭が凝り固まった人には、容易に理解できないのですが。
もうひとつ話をすると、烏骨鶏も、確かに長く生みますが、当然いずれ生まなくなります。
雄鶏も、たくさん要らないし、いつか締める時期が来るわけです。
先ほど、2年も育った廃鶏の肉など、硬くて食えたものじゃない、といいました。
なぜ、烏骨鶏のスープなるものが、中華料理で高額なのでしょう?
実は烏骨鶏は、地鶏養殖で運動することが多いので若鶏でも肉が硬い。
地鶏はブロイラーと違って、運動するから硬いのです。
烏骨鶏の肉は、確かに硬いですが、その栄養は、実は骨の中にまで深くしみこんでいます。
要するに、烏骨鶏の本当のおいしさは、肉じゃなく、ガラなのです。
だから、烏骨鶏はスープにするとおいしいといわれます。
肉はよく煮ると身離れがよく、脂肪はないが、硬すぎるわけでもない。
薬膳スープなら、硬くてもそれほど気にならない。
要するに、烏骨鶏は、長く育ってくれたほうが、いいわけです。
肉を食べる鳥じゃなくて、
卵を食べて、最後に、骨までしみた栄養を残さず体に取り入れる、という役割を
持っている食材。
私は、そのように理解しています。
毎日頻繁に無理やり汁を出すのは、電球をともされた中で朝昼関係なく卵を産み続け、
一年で廃鶏になるブロイラーのようなものです。
肉をミンチにして、なにか混ぜないと、硬くて食べられない。
(品種的に)才能があれば自然な環境で育てられるかもしれないけれど、
ほとんどはそういうわけではない。
いつでもブロイラーから抜け出せるのに、自分から進んでブロイラーに成り果てるのが
汁男優の世界になってしまう。
プロの男優になれないのであれば、烏骨鶏のように
きちんとコントロールしないと、すぐに燃え尽きてしまう。
人間も鶏も、燃え尽きる仕組み自体は一緒です。
濃い汁、というのは、男優全員が烏骨鶏の気構えをもってきちんと
出入りすれば、普通にどこの現場でも濃い汁が出るようになるでしょう。
逆に、そこまで整って汁がでない現場があったとしたら、
ザーメンモノなんて撮ってもお客さんが怒るだけなので、
やめたほうがいいんじゃないでしょうか?
これはあらゆるジャンルにいえることかもしれないですが。
駄作と良作の違いは、パフォーマンスとか演出とかそういう目立つ部分でなくて、
ちいさなちいさな一瞬のシーンだったりするのが、その証拠でしょう。
作ろうとおもって作れたら、誰も苦労しない
けれど、良作というものが市場に出たとして、それが良作とわかるのは
現在廃盤になった後だったりする。
セルAV市場がこれ以上伸びず、いかにスマートに縮小するかを
考えなければいけない時代になった、と感じるのは、
このように商品の内容が乱発で正確にお客さんに伝わらなくなったためです。
抜本的な方策は、ダイエットしかない。
底抜けや縮小ではなく、ダイエット。贅肉のそぎ落とし。
汁男優の汁の質はストイックな烏骨鶏タイプでないと維持できない。
なのに、みな脂肪たっぷりふわふわ肉のブロイラーを要求して、だめにする。
魔法のサプリを飲めば濃くなるんじゃないか!サプリ!サプリ!となる。
薄い汁を明日濃くする為に、ほかの意見はすべて耳に入らない。
セルAVも烏骨鶏のように、たまに満足するようなものを高額でもいいからちゃんと出せばいいのに、
委託をいいことに実売も無視してブロイラーのような短命新作ばかりを求め、けっか廃鶏が多い、
もっと良質な鶏を!もう質とかどうでもいいからとにかく売れるもの、回転するもの!と
不満ばかりが渦巻き、売れる魔法のサプリ商品はないか!サプリ、サプリ!と
そういう即効麻薬のような商品をただでもらうことに頭が一杯で、人が何を言おうがもはや理解不能。
どっちも薬の切れた患者みたいなものです。
いいものを出していても、これだけ毎月の目先資金のために需要である顧客資金を分散投資させていたら、
それはいい卵を産まない上に寿命も短くなるわけで、
ひいては卵アレルギーを出したり、ブロイラーのように命ではなく、たんぱく質、としか
とらえられなくなるでしょう。
その結果、鳥インフルや新型インフルの悲劇を生んでいるわけで。
命のやり取りを軽視した報いは、いずれ己の身に降りかかってくる。
汁男優は、無精子症とかそういうものになるでしょうし、
セル業界だと、強烈な規制でまるごと店舗規制や内容規制をされたりする
ということかもしれません。
直近の例で言うと、
痴漢ビデオが行き過ぎて鉄道警察の厳罰
レイプやりすぎて制作会社実刑
露出が行き過ぎて条例厳罰化
薄けしのビデ倫壊滅
世界標準のグローバル化に目を背けて国内DVD販売にだけ血道を挙げた結果
海外無修正配信に顧客も、海賊版も含め、すべての資金やコンテンツ資産を持っていかれ
海賊版のひとつも英語や仕組みがわからずつぶすことも訴訟もできない
というのががありました。
いずれもぬるま湯につかって気持ちいい己の足元ばかり見て、周りの環境の変化に目を背けたり、
気づかなかった為に起こったことです。
そういう流れで言うと、ザーメンモノなんていつまで作れるかもわからないわけで
今の日本は大変幸せな環境といえるのですが、今度はお客さんが海外の状況が
わからないから、いかに日本で奇跡的な製作ができているか気づかない。
無くなってからDMC16のようなものを作って、なんていわれてもあんなエネルギーの
必要なもの、売れなかったのにもう作る気しない。ほしかったら出たときに買っていればいいのに。
需要なければ作れない。食ザーも同じ。みたきゃご自分でおつくりください、の
世界になりかけている。
過ぎたるは及ばざるが如し、を心がけるのは、やはり難しいということでしょう。